いぬねこお役立ち情報「犬の口輪」

犬の口輪について考えてみよう

みなさんは「口輪」と聞いてどんなものか想像がつきますか?なんとなくイメージはつくけれど、どういう時に使うものか、犬にとって心地のよいものか、悪いものか、ご存じない方も多いと思います。今回のコラムは口輪のお話。愛玩動物飼養管理士の福井さんがご自身の体験を綴ってくれました。

口輪ってどんなもの?口輪を装着する目的は?

口輪は犬のマズルにカバーをして噛みつくことができないようにしたものです。プラスチックでできたものから、針金で作られたもの、おしゃれに布で作ってあるものもあります。 しかし、マズルを覆って口を開かないようにするための道具なので、犬にとってはとても不快なものです。

それでもマズルに口輪を装着する目的は大きく分けて2つあります。一つは噛みつきの抑制のため、もう一つは吠えを抑制するトレーニングのために口輪が装着されます。単純に口が開かなくなるからです。

しかし、「吠える」「噛む」原因は残ったまま物理的にできなくするだけなので、対処的であり、根本的解決にはなりません。また口輪を装着されたことで犬たちはとても傷ついてしまいます。

愛犬ヴェントゥス君について

私が犬のことについて詳しく知りたいと思ったのは最初に暮らしたヴェントゥス君のひどい咬み癖に困ったことからでした。

ヴェントゥス君はペットショップから購入して迎えたのですが、生後早くに母犬と離されてしまったこと、またそのペットショップがとてもよくない環境であったことが影響をして非常にストレスが溜まった状態でした。

また、さらによくないことにペットショップでパルボウィルス感染症にかかっていたため、家に迎えてすぐに発症してしまいました。治療のため隔離したりしてゆっくり過ごすことができませんでした。

小さな体からストレスが溢れ出ている状態のヴェントゥス君は私が犬と暮らすことがよくわかっていなかったこともあり、さらにストレスをためていきました。

運よくパルボウィスル感染症は完治しましたが、夕方になると、部屋中を走り回り、ジャンプして私の腕や手を咬むようになってきました。甘噛みでしたが、小さな尖った歯はとても痛く、ヴェントゥス君が走りだしたらクッションでガードをする生活が続きました。

幼いときのヴェントゥス君。このころから夕方の噛みつきが始まりました。

▲幼いときのヴェントゥス君。このころから夕方の噛みつきが始まりました。

ひどくなる咬みグセ、獣医さんに勧められて・・・

それからこの甘噛みはどんどんひどくなり、何針も縫うけがをしたり、顔や首をかまれて流血したりするようになりました。突然ギャウギャウ言いながらパニックになり、咬みついてきていました。当時私はどうすればいいのか、なんで咬むのか、ヴェントゥス君の気持ちはどんなものなのか知りたいと途方に暮れていました。

ヴェントゥス君はアメリカン・コッカーなので毛がどんどん伸びます。なので、トリミングを利用していましたが、そこでもすごく暴れて唸り、咬みつこうとしていたようでした。 病院でもパニックになり、暴れていました。獣医さんやトリマーさんから「もっとちゃんとしつけをしないとどんどん咬み癖がひどくなりますよ」と言われ、口輪を勧められました。

お散歩中も人や自転車や自動車が通るたびにパニックになり、突進していたので、いつかほかの人を咬むのではなかと心配になりました。 「口輪をしたほうがいいのかな・・・」と毎日悩む日が続きました。

口輪をすると、絶対に咬まれないので飼い主側に余裕ができること、また口輪をしていると、その犬に近づく人がいなくなるので犬も安心できること、口輪をつける習慣をつけていたら病気の治療のときなど万が一のときに便利になることなどの利点を教えてもらいました。

意を決して口輪を付けてみました。すると、ヴェントゥス君は「これとって」と大変嫌がりました。そしてとてもショックを受けた様子でした。

咬みつきを直すために色んなことろへ連れていきまたが、刺激が強すぎて、帰ってから咬まれていました。

▲咬みつきを直すために色んなことろへ連れていきまたが、刺激が強すぎて、帰ってから咬まれていました。

口輪をする前に考えたいこと

それから犬の習性や気持ちを尊重し、犬が快適に過ごせるにはどうしたらいいかということが分かり 、「嫌がることをしない」ということを気をつけると、意外にとても早くヴェントゥス君の咬み癖もなくなりました。

「咬む」ということはストレスが溜まりに溜まって、犬がどうしようもなくなった時にとる最終手段なのです。

ストレスを取り除くことが「咬む」ことの解決策だと分かりました。口輪は一時的に咬むことを防ぐことができますが、根本的な解決にはなりません。また、犬にとって口はとてもデリケートな部分であり、大切な役割があります。人間に置き換えたら、手だったり、口だったりするのです。

口輪をすることは自分に置き換えたら、手を手錠でつながれ、口を絶対に剥がれないガムテープでふさがれてしまうようなものではないかなと私は考えています。その状態はとても怖いと思います。

「咬む」ということは犬にとって非常に大きなSOSで、「もうストレスがいっぱいでしかたないよ。助けて」と伝えていると思ってください。その状態で口輪をするともっとストレスをためてしまい、心も傷をつけてしまいます。

口輪をする前に、どうして咬んでいるのか原因を考えてみて欲しいと思います。

今は咬むこともなくなり、ゆっくり過ごしています。

▲今は咬むこともなくなり、ゆっくり過ごしています。


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アニマルケアサービスMakani・福井Family

協力:
アニマルケアサービスMakani
代表/福井日花里
資格/愛玩動物飼養管理士1級、愛玩動物救命士、PONOPONOインストラクター
http://acmakani.jimdo.com/

犬の習性や気持ちを理解し尊重する犬育てのアドバイスをしています。

[Fukui family]
ヴェントゥス くん(アメリカン・コッカー・スパニエル)
コン くん(柴MIX犬)
フウ くん(白茶猫)
楓 くん(白黒猫)

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