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「ペットにも人間にも優しい住宅を」わんにゃん健康住宅研究所・清水満さん【1】

ねこ経済新聞出張版

私たちが犬や猫とともに生活し、想い出を育む場としても大きな割合を占めるのが「住まい」ですね。近年では彼らの飼育環境は昔と大きく変わり、特に都市部では室内飼いが中心となってきました。一緒に暮らす住宅は持家の一軒家の場合もあれば、賃貸のお部屋ということもあるでしょう。いずれにせよ飼い主さんはもちろんのこと、ペットにとっても安全で健康に、そして出来るだけストレスなく快適に過ごせる場所であることが理想と言えます。

猫が快適に暮らせる家づくり

しかし現実では、ペットとともに暮らすことを想定し、十分に環境が整っているという住宅はなかなかありません。快適さや安全面、お世話のしやすさなどに問題があると、場合によっては愛犬・愛猫の病気やストレスによる問題行動につながったり、怪我や脱走といった事故が起きてしまったりという可能性も。大切な家族の一員のためにも、そういった悲しく残念な状況は未然に防ぐ、あるいは改善してあげなければなりませんね。

ペットとともに暮らす住宅環境を楽しく考える

清水満さん

今回は「わんにゃん健康住宅研究所」を看板として掲げ、その代表を務めている清水満さんにお話を伺いました。ご自身も愛猫家である清水さんは、ペットとともに暮らす住宅環境を楽しく考え、事故やケガ、ストレスをなくすよう工夫や配慮を施した住まいを実現する設計事務所として、同研究所を立ち上げ運営されています。雑誌のペット特集やテレビ番組、ペット関連イベントなどにも登場し、ユニークな「猫の一休建築士」の肩書とともに活躍。周囲からは親しみと敬意を込めて「猫清水さん」とも呼ばれたりすることも。

そんな清水さんに、まずは同研究所の主な業務内容や基本方針についてお聞きしてみることに。

「業務内容は住宅・建築設計やショップデザイン、リフォームデザインのほか、ペットのための設備や家具の開発デザイン、それからコンサルタントなどですね。基本方針ですが、犬や猫も生きものなので行動学や生理学を考える必要があります。それに感情や個性もある。だから相談を頂くと、まずは現在のペット飼育状況や住宅環境などをカウンセリングシートに記入してもらったり、実際にお宅まで足を運んで猫ちゃんの様子を見たり飼い主さんにお話を聞いたり。それから提案や設計を行うという形です。相談は直接的な設計依頼にとどまらず、猫ちゃんの健康や問題行動に関することも多いですね。その際には獣医さんやトレーナーさんを紹介することもありますが、住宅の環境改善が必要であればその次に提案や設計、という流れになります」

猫と快適に暮らす

猫でいう粗相や爪とぎ、犬なら吠えや噛みつきといった人間目線でのペットの問題行動、あるいは体調不良などは、やはり生活環境のストレスが原因であることも多いのですか?

「必ずしもそうであるとは言えませんが、例えば北海道の旭山動物園は、それまでの主流だった『形態展示』ではなく、動物たちのいきいきとした行動や生活の姿を見せる『行動展示』を取り入れて注目を集めました。でも、私たちの一番身近な動物である犬や猫たちは、人間の生活環境にそのまま放り込まれて生活しているという側面が強いのが実状です。ですから、彼らのストレスを極力抑えてあげられるよう、限られた空間の中でも出来る限りいきいきと過ごせる環境にしてあげられたらという思いで提案や設計を行っています。それがペットの気持ちを汲み、ひいては彼らが健康に過ごせる住宅にもつながるのではないかと」

具体的にはどのようなことを工夫するのでしょうか。

「本来ならなるべく新素材ではなく無垢の木といった自然素材を使って人間にもペットにも優しい住宅をつくりたいのですが、それが難しいとしてもせめて行動にあった仕掛けをつくってあげるということですね。例えば講演でもよく話すのですが、猫は回遊性があるので高さがあって上下運動が出来るだけでなく、ぐるっと一周も出来るキャットウォークのようなものを取り入れてあげたり。人工物でもそういった仕掛けを極力予算内でつくれればいいですよね」

そう話してくださった清水さん。最近でのお仕事の事例では、一軒家のみならず賃貸住宅のペット仕様リノベーションの設計を手掛けたり、あるいは東京・御茶ノ水にオープンした保護猫カフェ「ネコリパブリック」や、同じく東京の荒川区に新規オープンした猫専用のペットホテル「キャッツカートン」の設計を手伝ったりもされています。

猫が自由自在に動ける家

次回以降では、清水さんがこうしたお仕事をされることになったきっかけやご自身の愛猫とのエピソードなど、さらに詳しくお聞きしてみたいと思います。


ねこ経済新聞

ねこ経済新聞
http://nekokeizai.com/

2011年創刊。新聞と名前がついていますが、現時点ではインターネット上のみで運営。ウェブサイトやツイッター、facebookなどを通じて、猫に関するさまざまな地域ニュースなどを日々発信しています。


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