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ブラッシングで抜けた毛を有効活用!全国展開のユニークなイベント「猫毛祭り」【3】

ねこ経済新聞出張版

羊毛フェルトのように猫の毛を用いてさまざまな作品をつくり、全国を巡回して展示を行うイベント「猫毛祭り」。今回は、その主催者である「猫毛フェルター」の蔦谷香理さんに、愛猫との想い出やこれまでの猫毛祭りの振り返り、そしてこれからの方向性などについてお話を伺ってみました。

三毛猫の「おかあ」との想い出

愛猫家の蔦谷さん

幼い頃から周りに猫がいて、彼らにあやされるようにして成長したという蔦谷さん。中でも記憶に残っているのが「おかあ」という三毛猫です。「お母さん」にちなんだ名前の彼女はもともと野良猫だったそうですが、家のまわりに居着くようになり、さらには子どもも産んで、やがては蔦谷家で面倒をみることに。そしてこんなエピソードもあったそうです。

「私が10歳くらいの頃ですが、おかあにとって冬の寒さは辛いんじゃないかと思って、靴下を編んであげようと思ったんです」

なるほど、私たち人間も冬は床が冷たくて裸足ではとても辛いですものね。

「でも、それらしいものが出来上がって履かせてみようとするのですが、当然嫌がるわけですね。かじったり足を振ったりして、すぐに脱いでしまいまいました」

確かに、高い所に登ったり爪を出したりするのに、猫にとって靴下は邪魔以外の何者でもないですよね。

「それで10歳ながら私は悟ったんです。こちらが良かれと思ってすることでも、彼らは全然違う価値観で行動しているから、寒いということよりも自分の行動が抑制されるほうがよっぽど嫌なんだな、と」

それにしても、10歳にしてその行動力と猫の本質を悟る力、さすが猫の毛まで愛される方は違いますね。その後、おかあは蔦谷さんが中学生くらいまで生きたのだそうです。

愛猫との想い出、猫毛フェルト作品づくり

猫毛フェルト作品

また、愛猫との想い出という側面と猫毛フェルト作品づくりについてもお聞きしてみたところ、

「やはり愛猫の方が自分よりも先に亡くなってしまうので、今のうちに何か想い出を残したいという方や、亡くなった愛猫の毛を取っておいたので、これで作りたいとおっしゃる方もいらっしゃいますよ」

という答えが返ってきました。その一方で、作品展を見に来られた方の中にはどんな猫の毛なのかを特に気にしない方もいて、蔦谷さんにとって新たな気づきになったと言います。

「例えば羊毛フェルトの作品なんかだと、これがどこにいたどんな羊の毛なのかを気にする方ってそんなにいないですよね。それと同じで、猫毛作品として完成度が高ければ、見たり買ったりする方にとっては元の毛がどんな猫のものなのかはさほど重要でないこともある、ということです。なるほどなぁと思いました」

今年で7年目となる猫毛祭り。全国あちこちで展示となると準備なども大変なのではと思いますが、会場などはどのように探したり決めたりしているのでしょうか。

「素材が猫の毛という特殊性もあるので、趣旨などを理解して頂いた上で『うちで展示しませんか』と問い合わせを頂き、実現するのが理想ですし、実際にそういったパターンが多いです。もちろんまだ開催していない地域でやりたいという気持ちもありますが、地域を決めて会場を探して実施するというよりは、お声掛け頂いた縁を大事にしていくというスタンスで今後もやっていきたいなと」。

ちなみに今のところ東海や北陸、九州、中国地方などがまだ未開催の地域だそうです。

猫毛祭りの課題

写真パネルの展示

また、全国巡回で開催するにあたり、展示や発送のしやすさなども意識しながらテーマを決めたりしている、とも。

「それと素材が猫の毛なので、飲食も出来るカフェなどで展示する場合もあり、衛生面には気をつかうようにしています。例えばビンに作品を密封する形や額装といった形での展示テーマにしたり」

最近では作品を写した写真パネルの展示も多いそうですが、その方が会場への発送や展示のしやすさはある一方で、やはり猫毛フェルト作品の実物そのものを見て魅力を感じてもらいたいという思いも。

「そのあたりの兼ね合いが苦労している点かもしれませんね。次回のテーマもどうしようかなと考えています」

蔦谷さん自身、「始めたときは、まさかこんなに続くとは思わなかった」という猫毛祭り。ここ最近は自身の作品を展示する形が続いているとのことですが、

「初期の頃にやっていたように、これからは一般の『猫毛愛好家』の方からも広く作品を募集する参加型の形でまた実施していきたいと思っています」

と蔦谷さん。参加のしやすさと、飾り映えや完成度といった展示の質の維持。両方のバランスをクリアするのが今後の課題とのことですが、いずれにせよこれからの展開も楽しみであり、ぜひ続いていってほしい取り組みですね。

さて、次回は5月16日に神奈川県川崎市で行われた猫毛フェルト作品づくりのワークショップの様子をお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

猫毛祭り


ねこ経済新聞

ねこ経済新聞
http://nekokeizai.com/

2011年創刊。新聞と名前がついていますが、現時点ではインターネット上のみで運営。ウェブサイトやツイッター、facebookなどを通じて、猫に関するさまざまな地域ニュースなどを日々発信しています。


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