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猫は心に灯をともす「元祖猫商 丸山商店」丸山晶代さん【3】

ねこ経済新聞出張版

東京・谷中にある「ねんねこ家」のお手伝いから、自身のショップとして猫のグッズを取り扱う「丸山商店」を独立させることになった丸山さん。東京都北区の王子に実店舗もオープンし、お店が軌道に乗り始めた頃に起きた東日本大震災で、お店の状況や考え方が大きく変わったと言います。丸山さんはその後、どのようにお店を展開していったのか。引き続きお話を伺ってみることにしましょう。

2匹の猫

丸山:東日本大震災の地震が起きた時、私はお店にいたのですが、その時お店にケージを置いて一緒にいたのがココちゃんという猫で、あとの子たちは自宅にいました。自宅はお店から15分程度の場所にあったのですが、幸いみんな無事だったとはいえ、余震も何度も発生しましたし、これから何が起こるのか分かりません。当時一緒に暮らしていたのは比較的高齢の猫たちだったこともあり、出来る限りこの子たちと一緒にいられるようにしたい。そんな思いもあり、住まいとして暮らしながらお店も出来る物件がないかと探し始めました。

もしも不在にしている時に地震などの災害が起きたら、本当に愛猫たちのことが心配ですものね。

丸山:そうして見つかったのが、現在も拠点にしている東日暮里の古い家です。ここはリノベーション物件で、現状で貸すという代わりに自由度が高く、居住もお店の営業も可、間取りをいじってもOK、そしてペット相談という条件でした。最寄駅はJRの鶯谷駅なのですが、鶯谷は私が高校時代を過ごした場所であり、母の仕事場もすぐ近いということで、すぐに内見の申し込みをしました。実際に足を運んで、次々と具体的なイメージが膨らんだので、即決で借りることにし、王子のお店から移転して再オープンしたのが2012年の4月です。

新しいお店の物件は、どんな点が良かったのですか。

丸山:以前の場所でお店をやっていた頃から、次に営業する場所では飲食を提供し、ギャラリーも併設したいと思っていたのですが、新しいお店はそんな理想にぴったりの建物でした。広めのキッチンがあって、1階にはギャラリーに出来る和室もある。2階は4部屋あって、私の仕事部屋や寝室などの居住スペースに、といった具合です。それと王子のお店もそうでしたが、例えば猫で有名な谷中の商店街にあるようなお店ではなく、何気ない場所にぽつんとあって、それでもお客様がわざわざ訪れて下さるような、そんな場所が良かったという思いもありました。

ねこまる茶房

こちらでは、カフェ・ギャラリー「ねこまる茶房」という名前で営業されていたそうですね。

丸山:初めは1週間のうちの金土日だけ実店舗のねこまる茶房を営業し、他の平日は通販ショップの丸山商店の仕事をしていました。ねこまる茶房では「オムニャイス」や「ニャポリタン」といった猫モチーフのかわいいお料理などを提供したほか、いろいろなイベントやワークショップ、あるいは作家さんの個展を開いたりもしました。この場所で私がやりたかったのは、人間版の猫の集会所みたいなものだったんです。

と言いますと?

丸山:猫好きさんって人見知りな方が多いんですね。猫は初対面の時、まずは物陰から様子を伺って、そろりそろりと近づいてニオイをくんくんとかいで、といった感じじゃないですか。それと似たようなものだと思うんですけど。それでお店のカフェスペースには真ん中に大きなテーブルを置いて、知らないお客様同士がお隣の方と猫ちゃんの話をして打ち解けてもらえればと。注文して出てきた猫モチーフの料理の写真を撮り合ったり、愛猫の写真を見せ合ったり。そうして猫好き同士で初対面でもどんどん仲良くなってくれたらいいなと思っていました。

ねこモチーフの料理

その後、ねこまる茶房としての通常営業は残念ながら昨年に終了されたとお聞きしました。

丸山:初めは皆さん私に会いに来て下さって、私と猫の話をして、という感じだったのですが、だんだんとお客様同士で知り合いになり、皆さんで集まって猫ツアーに出かけたりもされていました。それで自分の狙い通りのことが出来たんだなという達成感があったのと、同時にいろいろな理由も重なって、カフェ・ギャラリーとしてのねこまる茶房は2015年の10月に閉めることにしました。大きな決断だったのですが、お料理をはじめお店の全てをほぼ自分一人でやっていたので、なかなか他のやりたいことがしづらかったということもありまして。でも、今でもここを会場に不定期でイベントやワークショップなどを実施することはありますよ。

では現在は通販ショップのお仕事をメインにされているのですね。

丸山:はい。私自身も新しいステップへ進もうと思い、例えば前々回でご紹介して頂いた肉球フィニャンシェのようなオリジナル商品を作ったりしています。お店を移転するきっかけになった東日本大震災や、先日も熊本で大きな地震がありましたが、被災地のために自分に何が出来るかというと、愛猫たちのお世話もあるし、現地に行って復興支援のお手伝いというのは難しい。それなら募金付きの商品を作って全国のお客様に買って頂き、少しでもお金を集めて寄付することが自分の出来ることではないか、と。それとツイッターのフォロワーさんもたくさんいますし、ブログも毎日更新して多くの方に見て頂いています。こうしたツールを使って、多くの猫たちが幸せになるための情報発信が出来ればと思っています。

ショップの経営をされていて、どんな点で難しさを感じていますか。

丸山:実は東日本大震災を機に、売り上げが大きく落ちてしまった時期がありました。はっきり言って猫のグッズというのは生活必需品ではありませんし、大きな災害が起きると趣味のものは購入を自粛する雰囲気になってしまいます。自分だって洋服や雑貨などはどうしても買い控えてしまう時期でしたから。そこで何か考えなければやっていけないなと思いましたし、ただ物を売るだけのお店にはしたくありませんでした。

それから、ネットショップではお客様とコミュニケーションを取るのが難しいというのはありますね。実店舗を持って多くのお客様と話すようになり感じたのは、私にとって当たり前であった猫に関する知識を意外と知らない方が多い。それに、猫についての相談を受けることもとても多かったんです。飼い方や接し方、具体的にはごはんのことや粗相をしてしまう時のことなどです。お店を開いた当時は特に、身近に猫のことを相談出来る存在がほとんどなかったのだと思います。ですから少しでもそういった方の力になれればと思い、アニマルホリスティックカウンセラーの資格を取得して、猫に関する相談をお受けしたりもしています。

おいしいは幸せ

その他にも、丸山さんはペットロスで苦しんでいる方の力になり、多くの猫たちの命を救うことにもつながる「虹の橋プロジェクト」という取り組みにも関わっていらっしゃいます。こちらについてはまた改めてご紹介するとして、次回は丸山さんの愛猫たちのことについてお聞きしてみたいと思います。

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