いぬねこトークのアイコン いぬねこトーク「ねこ育て日誌~町蔵と私~」 

その17. 貰い手募集のため、子猫のコンポジットを作る

ねこ育て日誌
こんにちは、町蔵です

みなさま、こんにちは。
またぼくのおはなし、よんでくれてありがとう。ぼく、「しゅじんこう」のまちぞうなの。

くっふっふ…

このしゃしんをみてツタヤは、「子猫のくせにほくそ笑むなんて、町蔵、恐ろしい子!」っていったけど、「ほくそえむ」ってなあに? おいしいもの?

「ほくそえむ」はぼく、たべたことないけど、このしゃしんを、ツタヤは「あるもの」につかったの。
なににつかったのか、それはきょうのおはなしをよんでね!

身近で貰い手募集プロモーション開始

子猫の町蔵を保護して4度目の日曜日、23日目。 先ごろご連絡を下さった貰い手さん候補のY岡さんと、メールのやり取りが続いていました。Y岡さんはご両親と暮らしていらっしゃるので、子猫の町蔵を迎えることを認めてくれるよう、ご両親を説得している最中でした。

とはいえ、「話し合いがどのくらいで結論がでるのかわからないので、もしほかに今すぐに町蔵くんをもらっていただける方がいるなら、そのときは、私は淋しいけれど、その方と町蔵くんにご縁があるものと思わさせていただくことにしようと思います。。。」と、こちらの事情も考え、控えめにおっしゃってくださっていました。

家族全員に歓迎してもらって迎えたい、という心情もご事情も分かるので、「いやお宅にぜひ!」と申し上げるのもプレッシャーになると思い、そちらは静観しつつ、貰い手さん探しプロモーションを継続することにしました。

これまではもっぱら自前のブログやメールマガジンというウェブ上での募集でしたが、そろそろ身近でも募集を始めようと思いました。そのためには、ポスターやチラシという広報ツールを作らねばなりません。

そこで私が思いついたのは、「コンポジット」でした。

コンポジットってなに?

「は? こんぽじっと? なんすかそれ? あ、あれすか? 生ゴミ入れて堆肥作るヤツ?」って、ちがーう!それはコンポスト!
なんてやりとりは、もちろんしていません。

イケてるコンポジットを作るために

「コンポジット」、それは、モデルなどが営業活動に使う、写真入り名刺のようなもの。身長やスリーサイズ、外国人モデルの場合は、目の色、髪の色などが載っていて、それさえ見ればどんなモデルか一目瞭然という、モデルの営業基本ツールです。

クライアントやカメラマン、編集者は、コンポジットを見て「お、この子カワイイんじゃない?」、「うちの雑誌のイメージにぴったり!」などと、モデルを選ぶわけです。
町蔵も、「お、この子猫カワイイんじゃない?」、「うちの家のイメージにぴったり!」と思ってもらえるような、イケてるコンポジットを作らねばなりません。

さて、コンポジットのためには、まず写真が必要です。それもできるだけ魅力的な。
しかし、それが実に難しいのです。町蔵を保護してから、写真は何枚も撮っていますが、なかなか現物通りにかわいい、「これぞ!」という写真は撮れないのです。

何しろ、子猫だからじっとしている時間がないのです。いつもちゃかちゃか動き回って遊んでいるので、オートフォーカスのピントが間に合いません。

ちょっと暗い

お、いいポーズ! と思って撮影しても、しまった、ちょっと暗いですね!

と言っているうちに、町蔵はずんずんこっちへ

と言っているうちに、町蔵はずんずんこっちへ寄ってきてしまいます。これでは全身像がわからないじゃありませんか~!

寝顔以外、グリーン以外の写真を

寝ているときはさすがにじっとしているので、落ち着いて写真を撮れますが、コンポジットで寝顔ばっかりというのもまずいです。
おまけに写真のバックはいつも同じ室内なので、どうも変化がありません。

体型も模様もよくわかる写真

体型も模様もよくわかる写真なのですが、寝顔では、コンポジットの必要項目の一つ「eyes(目の色)」がわかりません。
町蔵の瞳は、子猫特有のブルーグレイから、いつの間にか、はしばみ色になっていました。これもチャームポイントなので、きちんと写したいのです。

草を編んだ敷物に、床は木の色。夏のカーテンやベッドカバーは緑のチェック、もしくは生成り色や白の麻。そこへ持ってきて、町蔵自身はベージュっぽい地色に焦げ茶色のきじとら。シックなコーディネートではあっても、「カッワイイ~♪」と言ってもらわねばならない写真の演出としては、もうちょっとスイートな色味がほしいところです。しかし「ピンク」や「レモンイエロー」にはほぼ無縁の当家には、そういう色の小道具はありません。

私はしばし考え込んで、外に目をやりました。

外に目をやると見えるのはこんな風景

当家で外に目をやると見えるのはこんな風景。スイートな色彩はないですが、このベランダごしに大家さんの庭を眺めながらビールを飲むのは、夏の夕暮れの憩いのひと時です。
この夏は、小さい町蔵がベランダの柵の隙間からこぼれ落ちてしまわないよう、自分がベランダに出ているときでも、いつも網戸は閉めていました。

ベランダ農地に格好の小道具を発見

外に目をやっても、外もまたグリーンばかり。大家さんの庭の木々は、夏の日差しを受けて緑濃く茂っています。狭小農地として耕作されている当家のベランダには、食べずに鑑賞するだけのパステルカラーの花なぞ植える余地のあろうはずもなく、夏野菜が青々と伸びています。

と、私は目の端で、赤い色をとらえました。 それは、ベランダで育てているプチトマトの実でした。

株はひさしに届くほど大きくなったプチトマト

実は小さいですが、株はひさしに届くほど大きくなったプチトマト。

最盛期には1日でこのくらいの実がとれます

100円の苗を2本買い、あとは挿し木で増やしました。最盛期には1日でこのくらいの実がとれます。

真っ赤に熟したその色、ころんと小さく愛いらしいその形を見て、「これは使える!」と思いました。これを、町蔵の写真の小道具にするのです。私は早速プチトマトを収穫しました。

町蔵も、プチトマトに興味がある様子

町蔵も、プチトマトに興味がある様子。床に転がしたら、何だか確かめにやってきました。

コンポジットを配り、効果を期待する

そして、撮影現場とするベッドカバーの上にまずプチトマトをころころと並べ、そこに町蔵を連れてきました。町蔵は「なあに?」というようにそちらを見たり、鼻を近づけたりしています。ただ寝かせていたのでは、飽きて別のところに行ってしまうし、動くおもちゃだと大騒ぎであばれるので撮れやしません。「ふーん」というこのくらいの感じが、撮影にはちょうど良い感じでした。

「いいねー、いいよー」「あ、目線こっちちょうだい」などと声をかけながら、私は数枚を撮りました。

もう1枚お願い!

いいねいいねー、そんな感じ……、あ、ごめんごめん、足の先切れちゃった。もう1枚お願い!

顔こっちに向けて!

……と、今度はせっかくのかわいい顔が前肢に隠れちゃってるよ~。顔こっちに向けて!

そして出来上がったのが、こんなコンポジット風の、ちらし兼ポスターです。

出来上がったコンポジット

私はこれを仕事で会う人ごとに渡し、知り合いの会社の壁に貼らせてもらいました。と、そこの編集者が通りかかり、「おー、この子かわいいじゃない。ツタヤさんとこにいるの?」と早速声をかけてきました。

「ハイ! そうなんです。宜しくお願いします!」と頭を下げながら、このコンポジットが素晴らしいクライアント様の目にとまり、町蔵にとって好条件のオファーが来ることを切に望んでいた、新人モデルのマネージャーのような気分の私でした。(続く)

>>その16  「ねこ育て日誌」記事一覧


蔦谷K

蔦谷K
http://nekokematsuri.blog.shinobi.jp/

生まれたときから身近に居た「猫」をテーマとして、エッセイ、豆本、ハンドクラフト、写真などを製作・発表。
猫をブラッシングして集めた毛が材料のクラフト「猫毛フェルト」を考案し、作り方を紹介した『猫毛フェルトの本』を2009年に出版。同書は好評を博し、台湾、アメリカでも翻訳出版される。その後「猫毛フェルター」として、各地で作品展『猫毛祭り』やワークショップ、猫毛フェルト指人形劇公演などを延べ50回以上開催。
著書に『猫毛愛』(幻冬舎)『猫毛フェルトの本』『もっと猫毛フェルトの本』(以上飛鳥新社)『猫毛フェルト12カ月』(三才ブックス)など。東京都出身。


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・8月20日(土)、8月21日(日)
12:30~14:00

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