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愛犬や愛猫と過ごせる時間を大切に「イヌメモリ・ネコメモリ」【2】

ねこ経済新聞出張版

目盛を人の年齢に見立てて、それに対応した犬や猫のおよその年齢を知ることが出来る定規「イヌメモリ・ネコメモリ」。愛犬や愛猫と一緒に過ごせる限られた時間をより大切にしようと思える素敵なコンセプトのアイテムですが、一体どんな経緯で開発されたのでしょうか。こちらを手掛けている株式会社Caroの代表取締役・プロダクトデザイナーである山口英文さんと、プロジェクトマネージャーの折山優子さんにお話を伺いました。

命の長さをデザインに盛り込むという初めての試み

イヌメモリ

同社は東京都内に拠点を構えるプロダクトデザイン事務所で、クライアントからの依頼を受けたデザインワークと並行してオリジナルプロダクトの企画販売も展開。「デザインとは『Dear=親愛なる、あなた』へ向けたメッセージ」をコンセプトに、インテリア製品やステーショナリーなどのアイテムデザインを手掛けています。

山口英文

そんな同社により、まず先に誕生したのが「イヌメモリ」でした。山口さんや折山さんたちデザイナー同士のつながりの中で、コドモと一緒の暮らしを考えるプロジェクト「コド・モノ・コト」への参加があり、2012年に開催されたコドモとペットのいる暮らしの道具というテーマの「こといぬ コトネコ」展において「デザインの力で何が出来るか」を考えながらアイテムを開発することに。そこで山口さんにより生まれたアイデアがイヌメモリです。

「私も幼少の頃に家で初めて犬を飼うことになったのですが、一番重たい出来事はやはりその犬が亡くなった時のことでした。自分たちとは時間の流れが違う。ただ、そういった命の長さをデザインに盛り込むという試みは初めてのことで、賛否両論あるのではと少し躊躇もあったんです」と山口さん。

ところが、毎年秋に一斉に開催されるイベント「東京デザインウイーク」の中の一つ「DESIGNTIDE TOKYO 2012 Extension」において、小ロットで「イヌメモリ」を製作し販売したところ、そのコンセプトに共感したという声が多く寄せられました。同時に「犬があるのに猫はないのですか?」という声も非常に多く、その後の「ネコメモリ」の誕生につながっていったのだそう。「その時は猫派の攻撃がすさまじかったですね(笑)」と、山口さんは冗談交じりに振り返ってくださいました。

命とともに物を大切にする思いも育んでほしい

折山優子

定規という素材に注目したのは、子ども、特に小学生が毎日のように使うものであったから。「調べてみたところ、お子さんが小学生中学年くらいの頃に犬や猫を飼い始めるファミリーがとても多かったのですね。私の周りの友人などもそうで、子どもたち自身が成長してくる中で、新たにペットを迎えようとしやすい時期なのかもしれません」と折山さん。

他所の家の犬や猫を見た子どもたちが親に『うちも飼いたい』とせがむのはよくあることですが、命と向き合って長期間面倒をみるということをどうやって子どもたちに伝えたらよいか。そんなことを考えながら子どもたちがよく使うものを挙げていくうちに、山口さんが発案したのが定規だったのです。

小学生と定規というと、正しい用途以外にも遊びで用いたりしてどうしてもボロボロになってしまいがちなものですが、「角を丸くする」「ケースをつける」「通常の定規は厚みが2ミリ程度のところ、イヌメモリやネコメモリは3ミリと少し厚めにする」など、目盛以外のデザインの面でも工夫が為されています。イヌメモリの長さは15センチとなっていますが、「15年を超えて愛用してもらいたい」という、命とともに物を大切にする思いも育んでほしいという願いも込められた製品です。

子どもたちにもその良さや魅力を伝えたい

アイデア段階から実際の開発までの期間はおよそ数カ月間でしたが、その中でさまざまな試行錯誤も。例えば定規に刻まれた本来のセンチメートルの数字と、対応した犬の年齢の文字の大きさや太さといったバランス、あるいは文字フォントの選択やどんなイラストを盛り込むか、カラーリングはどうするか、などです。

「いろいろ悩みましたが、子どもたちはもちろん大人や男性の方にも使ってもらいたかったということもあり、カワイイ路線というよりはオーソドックスなデザインの方向性に落ち着きました。シンプルでモダンという当社のデザインテイストをきちんと表すものにしようというコンセプトもありましたし、子どもたちにもその良さや魅力を伝えたいという思いもありましたので」

ちなみにカラーバリエーションに関しては「ブラック」「オレンジ」「ブルー」「ライムグリーン」の4色展開となっていますが、どの色も平均して売れているのだそうです。

イヌメモリ

このような背景で先行して誕生したイヌメモリに続き、要望が多かったネコメモリも開発することに。そこで選んだのが、インターネットを通じて多くの人に商品開発のコンセプトや思いを知ってもらい、同時に資金調達も行う「クラウドファンディング」という手法でした。次回では、結果的にイヌメモリの時以上に大きな注目を集めることになったネコメモリの誕生についてご紹介したいと思います。


ねこ経済新聞

ねこ経済新聞
http://nekokeizai.com/

2011年創刊。新聞と名前がついていますが、現時点ではインターネット上のみで運営。ウェブサイトやツイッター、facebookなどを通じて、猫に関するさまざまな地域ニュースなどを日々発信しています。


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