いぬねこトーク「地震体験記」

熊本地震を体験して 犬と猫と被災しました 【後編】

一緒に笑顔になろう

地震から一夜明けて、家を見ると瓦は全部落ちてしまい、家の中には亀裂があちこちに入り、 天井は浮いていたり、壁が壊れたりしていました。
扉も窓も開かない、動かない、床は沈んでいて家が傾いていました。

コン君は怖くて家の中に入れなくなりました。
その当時、ヨークシャテリアのさくらちゃんをお預かりしていたので、怖くないようにずっとスリングに入れて抱っこしていました。 余震があるたびにみんなビクッとなり、玄関に逃げていました。
しかし、慣れることと、疲れもあり、度重なる余震に震度3ほどでは座ったままでいるようになりました。

木の陰に隠れていました。

▲コン君は家の中に入れませんでした。

コン君は4日間ほど家に入ることができませんでしたが、駐車場で過ごしました。
ここで無理やり怖い室内に入れてしまうとパニックになり、とても怖い思いをさらにさせてしまうことになります。 いずれ室内に自分から入ってきてくれるだろうと思い、近所の人たちに説明をし、張り紙をし、すぐに見に行くような体制にしておきました。

犬や猫、人間もそうですが、自分で安全だ、心地よいと思うところにいることがとても大切になります。自分でいる場所を自分で決めることがそのあとの心の回復にも影響してきます。

木の陰に隠れていました。

▲家の中が怖いので玄関先にいることも多くありました。

地震のトラウマは人間もですが、犬や猫にもとても大きな影響を与えました。
近所のミニチュアダックスフンドは本震のあと、夜中中ずっと吠えてしまい、お腹も壊してしまいました。余震が続くのでそれもとても怖がるので県外の親戚のお家に避難されました。

また別のお家の柴犬は本震のあった時間、夜中の2時過ぎになると吠え始めるようになったと聞きました。地震から半年経ってもパニックになったかのように吠えるので飼い主さんはずっとそばにいるようにしました。
外飼いでしたが、お家に入れてそしてそばにいるようにしたら少しずつ鳴く時間が減っていき、そして鳴かないようになったそうです。

この柴犬やコン君がこのような行動をとるのには、不安と恐怖が原因です。子供たちでも家に入るのを怖がったり、夜になると泣いたりする子が多くいましたが、それと全く同じ気持ちです。
コン君がお家に入れるようになっても、お散歩で誰かがいなくなるのをみんな怖がったため、ヨークシャテリアのさくらちゃんをスリングに入れて、コンちゃんとヴェン君のお散歩を一緒にしたり、コン君とヴェン君をお家に残してさくらちゃんのお散歩を家から見える位置でしたりしていました。

極力お留守番は控え、大きな余震があればテレビをつけて震度を確認して「震度2だよ。大丈夫」と犬たちに伝えていました。そうすることで安心するようでした。

怖い思いをたくさんさせてしまいましたが、意外なこともありました。
瓦が全部落ちてしまったのでブルーシートを屋根にかけて応急処置をしていました。しかし、雨が続いたり、強い雨が降ったりすると雨漏りをしていました。

何か所も雨漏りするのでバケツや鍋をいろんなところに置いて、タオルを敷きました。
私は「ああ、雨漏り嫌だな。」と憂鬱になりましたが、犬も猫も「お部屋なのに雨が降っているねっ」とうれしそうな顔をしながら、一つ一つのバケツをチェックしてまわっていました。人間が憂鬱でも犬や猫にとっては楽しいことなんだと思い、気持ちがほっとしたのを覚えています。

私もまだテレビで地震の報道があると固まって動揺します。ヴェントゥスくんは分離ストレス行動が地震の前まですごく減っていたのですが、少し復活してしまいました。
地震のショックはまだ癒えたとは言えませんが、それでも少しずつよくなっていけばいいなと思っています。

犬や猫も人間と同じように、いやそれ以上にショックを受けたり、不安になったり、恐怖を感じることがよくわかりました。犬、猫は人間より後回しにされてしまう現実がありますが、一緒に暮らしている大切な家族なのでもっと社会全体が後回しにせず大切にしてほしいなと改めて思いました。

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アニマルケアサービスMakani・福井Family

協力:
アニマルケアサービスMakani
代表/福井日花里
資格/愛玩動物飼養管理士1級、愛玩動物救命士、PONOPONOインストラクター
http://acmakani.jimdo.com/

犬の習性や気持ちを理解し尊重する犬育てのアドバイスをしています。

[Fukui family]
ヴェントゥス くん(アメリカン・コッカー・スパニエル)
コン くん(柴MIX犬)
フウ くん(白茶猫)
楓 くん(白黒猫)
息吹ちゃん(グレートビ猫)

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