肉球 いぬねこ先生通信

ワンちゃんのアレルギーについて解説

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獣医師岩崎脩先生

こんにちは。いぬねこ先生です。

ボク自身は幸いなことにアレルギーがないのですが、皆さんはいかがですか?
今回はワンちゃんのアレルギーについてお話しましょう。

(ごめんなさい、ネコちゃんにもアレルギーはあるのですが、ワンちゃんと比べ原因を特定することが現状では困難で、今後新しい情報が入れば発信していきたいと思います)

ワンちゃんで特に問題になるのは『犬アトピー性皮膚炎』と『食物アレルギー』です。厄介なことに、ときどきどちらも持っているワンちゃんもいます・・・。

犬アトピー性皮膚炎に必ず見られる特徴は
①痒みがあること
②赤みや湿疹などの皮膚病変があること
③慢性的で再発性であること
④3歳以下で発症すること
です。

目や口を中心とした顔、脇の下、お腹、背中、関節の皮膚に特に症状が多く、耳も皮膚の一部と考えることができますから、外耳炎を併発しているケースもあります。このような臨床症状があれば、犬アトピー性皮膚炎かもしれません。アレルギーの治療にはまずは敵を知る=原因(アレルゲン)をはっきりさせることが何よりも大事。ワンちゃんにもアレルギー検査(血液検査)があり、食物や草木、ハウスダストやカビなどアレルギーの原因を調べることができます。

もし犬アトピー性皮膚炎の主な原因のひとつである特定のダニ(ハウスダスト)にアレルギー反応があれば、『減感作療法』という治療法があります。原因物質をごく微量から体内に入れて徐々に体を慣らしていき、最終的にアレルギー反応を起こさせないようにするというものです。従来は頻繁な注射が必要で治療期間もコストもかかる煩雑なものでしたが、現在は週1回計6回注射する製品ができ、便利になりました。現在行われている犬アトピー性皮膚炎の治療の中で、唯一の根本的治療ですから、該当するケースでは実施してみる価値があります。

減感作療法に使う注射薬

『減感作療法』に使う注射薬です。低濃度(数字の小さいもの)から週に1回皮下に注射していき、身体に慣れさせていきます。通常5~6回注射します。

特定の時期に症状があるという季節性が判明している場合には、あらかじめ痒みをブロックしてくれる抗ヒスタミン剤をアレルギーシーズンの1ヶ月前から内服すると痒みが軽減されます(痒みが起こってしまってからでは効果はほとんどありません)。防ダニ布団、空気清浄機やフローリングなど生活環境改善、皮膚を清潔に保つことも必須ですので、皮膚の状態にあわせたシャンプー療法も忘れずに。

アレルゲンを可能なかぎり避け、それでも起こってしまう場合は、薬で症状をコントロールしなければなりません。ステロイドに対しては嫌悪感がある方もいらっしゃると思いますが、正しく使えば非常に有効なお薬です。副作用を懸念するあまりステロイドを使用せずに、痒みに悩まされ続けるのも大変つらいと思います。最近では局所で作用した後に速やかに分解され、全身的な副作用が起こりにくいステロイド剤のスプレーもあり、選択肢のひとつになっています。

このように以前に比べて検査の精度が向上し治療法の選択肢も増えてきました。継続的な治療が必要なことも多いのですが、適切な診断と治療によって治る可能性があるラッキーなケースもあります。暑い時期を迎えると皮膚のトラブルが多くなりますので、お宅のワンちゃんが痒がっていたら、一度動物病院に相談してみてはいかかでしょうか?

次回は『食物アレルギー』について解説します。


獣医師岩崎脩先生

協力:
昭島動物病院(東京都昭島市)
獣医師 岩崎 脩 先生
http://www.aaho.jp/

動物と飼い主様のより良い信頼関係の構築に貢献できるような情報を提供していきたいと思います。


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